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(物語)
Iggie's House
 グローブ通りに初めて黒人の一家が越してきた。
ウイニーは、たったひとり、その一家を歓迎しようとするのだが……。
(ジュディのことば)
 「Iggie's House(イギーの家)」は私が初めて書いた長い小説です。
毎週一章ずつ書いていました。ニューヨーク大学でライティングの講義を受講して
いる時です。物語は1960年代後半のことで、カレッジを卒業してから5年ほどた
っていました。
その頃は結婚してふたりの幼い子供がいましたが、すでに絵本を2冊書いていて、
そのうち「The One in the Middle is the Green Kangaroo(ぼくはみどりのカンガ
ルー)」が初めて出版される予定でした。ほどなく私は決心をしました。
私が本心から読むのが好きなものは小説なのだから、小説を書くことにしよう、と。
私は現実の社会に生きている、ありのままの人々にとても心を惹かれます。
ですからそんな物語を書きたいと思っているのです。

60年代後半はアメリカ合衆国にとって混沌の時代でした。人種間の緊張は高ま
り、特にマルティン・ルーサー・キング牧師の暗殺後は益々激しさを増しました。
人種間の平等を求めて続く争いは、何らかの形で私たちみんなに影響を与えま
した。その時、私はこの物語に出てくるウイニーのように神経質になっていました。
世の中をもっと住みよい場所にしたくても、どうすればいいのか分かりません。
ウイニーがデトロイトでの暴動のことを話し、ガーバー家の子供たちに、お父さんが
その暴動に参加したのか、と尋ねた時、ガーバー家の子供たちは腹を立てました。
誰が彼らを責めることなどできるでしょうか? ニューアークの暴動が起こった時、
その頃住んでいたニュージャージー州の郊外には、近所にこんなことを言う人が
いっぱいいました。ニューアークの暴動が私たちの通りに飛び火するといけない
から、武器を持って自衛する、と。その通りはウイニーが住んでいるグローブ通り
と同じように白人しか住んでいませんでした。

もしディック・ジャクソンに会わなかったら、この本が出版されることはなかったで
しょう。ディックは新人の作家なら誰もがついてほしいと思う、最も優秀な編集者
です。私は彼のことを新人作家向けの雑誌「Writer's Digest」で知り、作品を彼
のもとへ送りました。ディックは興味を示してくれ、ある朝、私の物語と登場人物
について話す時間をとってくれたのです。
家に持ち帰って考えなければならないような、いろいろな質問を投げかけられま
した。何も約束はしてくれませんでしたが、下書きを書き直したら、また読んであ
げる、と言ってくれました。
すぐに書き直しにかかり、物語に没頭しました。
そのあとディックが電話をくれて、出版しようと言ってくれたのです。
私の人生における最も幸せな出来事のひとつです。
その日はそれから先の私の人生を変えた一日でした。最初の本に対するディック
のサポートと励ましのおかげで、それからずっと書き続けています。

(タイトル)
 最初から決めていました。
(献呈)
 この本はリー・ウィンダム先生に捧げられました。
ニューヨーク大学の生涯教育学部での私のライティングの先生です。
先生は生徒たちがのびのびと能力を発揮できる、安全確実な場を作ってくれました。

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